結婚式・披露宴でゲストの席の場所を決めるのは難しいものですが、席には決まりがあります。一般的には高砂席に近い場所が「上座」となり、遠い場所が「下座」となり、上司や恩師が新郎新婦の高砂席に近い席、親族や両親が高砂席から一番遠い席になります。そして向かって左側が新郎席、右側が新婦席です。
ただ、新郎新婦のゲストの人数が一緒とは限らないので、人数が違う場合がありますよね。そういった時は中央らへんで人数を調節してください。
結婚式でゲストに配られる席次表は、それぞれがどの席に座るかを知らせるだけではありません。ゲスト同士を紹介したり、新郎新婦とそのゲストの方の関係を分かりやすく説明するものでもあります。つまり、肩書きをきちんと書くということは、新郎新婦の人間関係をよく知ってもらうのにも役立ちます。
どの席に誰が座っていただくか決めるのも一苦労ですが、その肩書きが間違っていたり、両家で異なる書き方をしていては失礼に当たります。それまで頑張ってきた努力を台無しにしないよう、慎重に進めてくださいね。
日常的に使っている肩書きとは違う書き方もあるのが、結婚式の席次表の肩書き。今回は、結婚式の席次表の一般的な肩書きやゲストの敬称についての書き方をご紹介しています。
■ゲストの敬称について
まずはゲストの敬称から始めましょう。ゲストの敬称は「様」を使うのが一般的ですが、新郎新婦の父母や未婚の兄弟姉妹、同居をしている祖父母は基本的に敬称をつけません。
兄弟姉妹が結婚している場合は、「様」をつけます。同居していない祖父母にも「様」をつけてください。ただ、結婚した兄弟姉妹や同居していない祖父母などに関しては家庭によって異なるようなので、両親と相談して決めると良いでしょう。
恩師は「先生」でもいいですし、「様」でもかまいません。小さい子ども(だいたい小学生くらいまで)は「くん」や「ちゃん」をつけます。
■一般的な肩書き
それでは結婚式に呼ぶゲストの一般的な肩書きについてご紹介いたします。
<媒酌人>
・媒酌人は『御媒酌人』
・媒酌人の奥様は『御媒酌人令夫人』
最近では仲人と同じように、媒酌人を立てる結婚式はほとんどありませんが、媒酌人を立てる場合はこのように表記してください。
<職場関係>
・会社社長は『株式会社 ○○ 代表取締役』または『株式会社 ○○ 取締役社長』
後株の会社は『○○株式会社 代表取締役』などと書きましょう。前(株)か後(株)かは間違えられないので、表記するときは名刺やHPでしっかり肩書きをチェックしてください。
結婚式に大人数をゲストに呼ぶ場合などは席次表のスペースがない場合があります。そういった時は、株式会社を省いても失礼には当たりません。席次表のスペースを考えて文字数を合わせましょう。
・勤務先上司は『株式会社 ○○ ○○部 部長』や『新郎(新婦)会社上司』
・勤務先先輩は『株式会社 ○○ ○○部 (あれば役職)』や『新郎(新婦)会社先輩』、『新郎(新婦)先輩』
・勤務先同僚や後輩は『新郎(新婦)会社同僚』や『新郎(新婦)同僚』
先輩同様会社名と部署、役職でもいいです。全て新郎新婦がお招きしたゲストの方なので、結婚式の肩書きでは『後輩』とは書かず『同僚』や『友人』と表記します。『後輩』と書くと失礼にあたるので気を付けてください。
・勤務先を退職した同僚や、新郎新婦の元勤務先の同僚は『新郎(新婦)会社元同僚』や『新郎(新婦)元会社同僚』
職場が会社ではなく学校や病院などの場合は、『会社』ではなく『職場』と表記しましょう。
一般的に課長以上の人は役職名を入れますが、係長以下でしたら『新郎(新婦)上司』や『新郎(新婦)同僚』と表記されることが多いです。気になるのでしたら本人に確認するのが一番ですね。
<友人、知人>
・学生時代の先輩は『新郎(新婦)大学先輩』や『新郎(新婦)高校先輩』
・学生時代の友人や後輩は『新郎(新婦)大学友人』や『新郎(新婦)高校友人』
・新郎新婦共通の友人や後輩は『新郎新婦友人』、『新郎新婦大学友人』
勤務先の後輩と同様、『後輩』と書くと失礼にあたりますので、『友人』と表記してください。
・幼なじみは『新郎(新婦)おささなじみ
・その他の友人は『新郎(新婦)友人』や『新郎(新婦)知人』
友人や幼なじみは『新郎(新婦)友人』で統一しても大丈夫です。ゲスト同士をもっと詳しく知ってほしい場合などは、新郎新婦と友人との関係を書いておくと、さらにいつの時代の友人かが分かるので、そこまで書くのも良いですね。
一般的には会社名は書かなくても大丈夫ですが、本人の意向などもありますので聞いて確認してみると間違いありません。
<親族の肩書き>
親族は『新郎(新婦)親戚』のみでもかまいません。しかし一般的には新郎新婦との繋がりを書くことが多いです。
・父母は『新郎(新婦)父』や『新郎(新婦)母』
新郎新婦の父母が再婚しているということもあります。実の父母でしたら『新郎(新婦)父』や『新郎(新婦)母』と表記しておくとよいでしょう。そのような肩書きだと問題がある方は、『新郎(新婦)来賓』とするなどしても良いかもしれません。判断に迷った時は、両親や式場の人に確認してください。
・兄弟姉妹は『新郎(新婦)兄』、『新郎(新婦)姉』、『新郎(新婦)、弟』、『新郎(新婦)妹』
・祖父母は『『新郎(新婦)祖父』、『新郎(新婦)祖母』
・兄や姉の配偶者は『新郎(新婦)義姉』、『新郎(新婦)義兄』
・弟や妹の配偶者は『新郎(新婦)義妹』、『新郎(新婦)義弟』
義姉や義兄、義妹、義弟は年齢が関係ありません。
・兄弟姉妹の子どもで男の子は『新郎(新婦)甥』、女の子は『新郎(新婦)姪』
・父母の兄や姉は『新郎(新婦)伯父』、『新郎(新婦)伯母』
・父母の弟や妹は『新郎(新婦)叔父』、『新郎(新婦)叔母』
・祖父母の兄や姉は『新郎(新婦)大伯父』、『新郎(新婦)大伯母』
・祖父母の弟や妹は『新郎(新婦)大叔父』、『新郎(新婦)大叔母』
・父母の兄や姉の配偶者は『新郎(新婦)伯母』、『新郎(新婦)伯父』
・父母の弟や妹の配偶者は『新郎(新婦)叔母』、『新郎(新婦)叔父』
同じ「おじ」「おば」でも父母や祖父母より兄姉か弟妹かで字が違うので気を付けましょう。
・兄弟姉妹の婚約者や恋人は『新郎(新婦)友人』や『○○婚約者』
・いとこ(年上)の場合は『新郎(新婦)従兄』や『新郎(新婦)従姉』、その配偶者は『新郎(新婦)従姉』、『新郎(新婦)従兄』
・いとこ(年下)の場合は『新郎(新婦)従弟』や『新郎(新婦)従妹』、 その配偶者は『新郎(新婦)従妹』、『新郎(新婦)従弟』
いとこと同い年の場合は相手を立てて『新郎(新婦)従兄』や『新郎(新婦)従妹』としても良いでしょう。誕生日が新郎新婦より早ければ年上とみなし、遅ければ年下として書いても大丈夫です。
・いとこの子どもは男の子は『新郎(新婦)従甥』、女の子は『新郎(新婦)従姪』
それ以外の親戚は『新郎(新婦)親戚』と表記します。
<その他>
ご近所の方や高校や大学時代の先生など、その他のゲストも式にお呼びすることもあるかと思います。その際の書き方を一部ご紹介いたします。
・近所の方は『新郎(新婦)知人』
お父さんやお母さんとの方が距離が近ければ『新郎(新婦)父母友人』としてもよいですね。
・ゲストの奥様は『○○様令夫人』や『同令夫人』とし、友人の奥様やご主人様でその方と交流がなくても『新郎(新婦)友人』とする場合もあります。
夫人はパソコンで入力すると「婦人」と変換されることもありますので、特に自分で作成する時は気を付けてください。
・ゲストのお子さんは男の子でしたら『○○様令息』、女の子でしたら『○○様令嬢』
・学校の先生は『新郎(新婦)恩師』
恩師の前に中学や高校など書いても良いでしょう。現役のときは、『新郎(新婦)○○高校校長』など、現在の勤務先を表記しても良いので確認してみてください。
・華道などの先生は『○○流師範』、『新郎(新婦)恩師』『○○の先生』など。
華道、茶道、お琴の先生など肩書きがある先生もいらっしゃいますので、ご本人に正しい肩書きを確認して書くと安心です。
・新郎新婦の仲を取り持ってくれた方も『新郎(新婦)恩人』
どんな関係の恩師か他のゲストの方が興味を持ってくれるかもしれませんね。
■まとめ
結婚式の席次表をゲストがもらった時は、まず自分の名前を探すもの。席次表の肩書きや名前が間違っているとがっかりするでしょう。何かと準備や決めることの多い結婚式ですが、お名前(漢字の字体など)や肩書きは入念に何回も確認することをオススメします。
何度確認したとしても、全員のフルネームや肩書きはチェックポイントが多く、印刷してからミスに気づくことも少なくありません。
手作りするにしても、紙を選んだり印刷に失敗したりと何かと時間がかかりますので、結婚式準備の早いうちに余裕を持って、席次表の制作に取りかかりましょう。
また、式の雰囲気によってはローマ字で表記したいと考える方もいるかもしれませんが、結婚式のゲストは老若男女がいます。年配の方はローマ字はあまり馴染みがなく、読みにくいかもしれません。席次表は誰にでも分かりやすいものが良いですね。同年代の友人・知人ばかりでローマ字にしたいときは、つづりの間違いがないかきちんと確認しましょう。
地域や披露宴会場、両親の方針により肩書きの書き方がこちらでご紹介したものとは変わってくることもあります。新郎新婦だけでは迷ってしまったり、分からないときは、両親や式の担当者に確認して正しい肩書きを書いてください。
いろいろとややこしい肩書きですが、今回の席次表の書き方をご参考に、ゲストの方たちを想って素敵な席次表を作ってくださいね。